総   括

 2018(平成30)年度当協議会における活動として、研修事業の3本柱「カウンセリング研修」「スキルアップ研修」「子育てコーディネーター養成講座」が無事に終了をしたこと、そして併せて3つの研修全てがスキルアップ研修として機能したことは、2018年度を総括する上で大事なポイントだったと考える。

充実した講師陣からの手厚い研修内容に加え、更に保育士のキャリアアップ資格習得が出来たのは本年度で2年目の実績となった。このことは加盟園に対する大きな貢献になったことではなかったろうか。

しかし2018年度の活動の中でこれ以外に主な活動が無かった事も事実ではある。実際待機児童対策など保育行政等の大きな課題がある中でも、時間を割いてよくやったとするのかどうか。ここは大きな判断ともなるだろう。

しかしここは敢えて厳しく総括するとすれば、2018年度の当協議会における活動の立ち位置は変化する時代に対応できていたのかどうか、という見方も出来るのではないだろうか。常に時代の変化に敏感に反応し、「理想より現実」というシビアな立ち位置にこだわり続けてきたからこそ、従来の事業や方法論にこだわることなく、むしろそれらのものをあっさりと見切りをつけながら、様々な事業や大会を開き『時代の変化が招いた子育ての問題提起』に次々と挑み続けてきたのが当協議会の20年に及ぶ活動の歴史であったはず。

ならば、これらのものがキャリアアップという喫緊の課題を前にして、実は当協議会の持ち味であったステップを重くし、しかも単調にさせてしまっているということがありはしないだろうか。

とはいえ「少子高齢化」の問題や「働き方改革」の行方など、今や保育業界に限らず「人手不足」が深刻化する中で、人だけではなく社会全体にもかつてのような余裕がなくなってきたように感じるのも今の時代の一つの大きな側面かと思われる。加えて本年度10月より消費税増税のタイミングで「無償化」のスタート、更に「給食費の実費徴収」という大きな難問が各加盟園には待っている。

改めて2018年度の総括として考えるならば、確かに予定していた主な事業の遂行は果たし、加盟園だけでなく保育士に対するキャリアアップ資格の付与という大事な貢献は出来たかもしれない。が、果たしてそれらを自動的に総括することが当協議会として相応しいのかどうか。相応しいかどうかを問題提起として2019年度に繋げていくことが、当協議会の総括としては相応しいのではないだろうか。

(文責:橘 孝昭)