平成３０年度　カウンセリング研修　報告

＝ 熊本県保育士等キャリアアップ研修（保護者支援・子育て支援）＝

【テーマ】「自己変革と成長を求めて」

－ 心理療法統合の時代に向けて交流分析の視点から －

【講　師】　杉田　峰康氏

福岡県立大学名誉教授、日本交流分析学会名誉理事長

【日時・会場】

【研修レポートより】

• 支援センターの利用者から様々な相談や質問を受けるが、今まではどちらかというと経験や知識を用いて説明することが多かったように思う。今後は相手が何を求めているかをよく考え、まず気持ちが楽になるように相手の話に耳を傾け、言葉の裏に隠された本質を見ていくことが大切だと感じた。
• 家族や園で関わる人に対して、今まで、“相手の立場に立つ”ことを心掛けていても、口から出る言葉は、一方的だったりしていた。今回の研修でまず、自分を認め、他者を認めるという学びの中で、自分をしっかりと理解して認めていくことが、他者も認めるということにつながっていくということを学ぶことができた。
• 杉田先生のカウンセリング研修は２回目の受講になります。自分自身子育てに悩んだり、職場での悩み、様々なスストレスがある中で、どのように自分を見つめ直したらいいか学び続けたいと思い参加させていただきました。２年前受講したときと、現在のエコグラムを比べてみました。２年前のエコグラムはＣＰ厳しい私が一番大きく、ＡＣ人に合わせる私が一番低かったのが、今現在、ＮＰ優しい私が大きくなったものの、ＡＣ人に合わせる私が一番大きくなった結果となった。この結果で人は変化していくもので、自分も発する言葉や行動意識の持ち方で、変われるのでないかと思いました。
• 保育の中でもプラスのストロークを意識しながら子ども達と関われるようにしていくと、以前とは違う子ども達の反応や表情が見られるようになった。例えば、朝の登園時や午睡後に「ママがいい」と大泣きし、周囲の言葉聞き入れたくないという子の姿がある。最近よく見られる姿ではあるが、研修でストロークについて学び、「ママが良かったんだね、先生も○○くんのママ好きだよ」「○○くんが大丈夫ってなるまで抱っことおんぶどっちがしたい？」などと、今までより丁寧に関わるようにしていた。すると気持ちの切り替えもスムーズに行えるようになり、安心感を感じている様子が見られて、ストロークの大切さを実感した。
• 杉田先生の優しく穏やかで、皆を包み込むような雰囲気やお人柄に、心癒やされながら学ばせていただきました
• 発達障害についてのお話の中で、自分が「発達障害」と明かすことが出来ない人の周囲への公表を後押しすることを目的に、１人の女性が作られた「私の症状カード」が活用されていることを初めて知りました。その人の困り感・苦手とすることを、そのカードを見ることで周りが気づき、それに合った関わりが出来ることは障害を持った人は勿論ですが、周りの関わり方に大きな違いがでるなと思いました。お互いにとってとてもいいことだと思い、しっかり広がってくれたらいいなと思いました。
• 人は誰でも３つの心（親の心、大人の心、子どもの心）を持っていが、まずい人間関係はそのバランスが崩れている。人間関係をよくするためには、相手を「大事な人間」として扱う。相手の立場によって物事を考える。耳を傾けてしっかり聞いてあげる。そして、自分自身の心が健康であることが何よりも大切だと学んだ。

【総括】

「自己変革と成長を求めて」というテーマのもと、まずは自分を知ることから始まり、他者を変えようとするのでなく、傾聴し受容し共感すること。保育者としてだけでなく、一人の人間として、全ての生活に通じる講義をしていただきました。杉田先生の優しく穏やかな雰囲気の講義に、受講者も癒やされながら学ぶことが出来たようです。

（文責：小嶋 建輝）