平成26年度事業総括

平成26年度は総会での公開講演会のテーマともなったように保育制度改革の話題とともに始まりました。利用者支援事業の開始や子ども子育て新制度への移行に伴い子育て支援事業への影響が考えられたからです。大きな変化があるかもしれないと想像をしていましたが以前とさほど変わらない現状でした。来年度以降に変化の波が遅れてくるのかもしれません。
熊本子育てネットの独自事業として、会の発足以来継続している杉田峰康氏による5回継続のカウンセリング研修会が開催されました。参加者は熊本県内のネット関係者のみならず県外からの参加者も多数あり、100名前後の参加人員が減ることなく継続していることおよび九州各地に研修の機会を提供できていることに事業の意義を見ることができると考えています。
子育て支援スキルアップセミナーは参加者へ付加されるレポート作成および研修時間の回数と長さ、研修内容の深さのどれをとっても中堅保育士のスキルアップの名に値するものとなっています。子どもと保育研究所・ぷろほ 所長の山田眞理子氏による情熱あふれる指導と38名の参加者の真剣な受講は地道ではあるが確実に子育て支援力を養成しているということができます。
今年度の新規事業として子育てコーディネーター養成講座が開催され32名の参加者が4回にわたり受講されました。新規の事業であり、成果については今後注目されます。
代表者研修会は『 フィンランドのネウボラに学ぶ 』- 子どもと家族のための切れ目ない子育て支援 -をテーマとし、高橋睦子氏(吉備国際大学 保健医療福祉学部教授)
を講師として迎えました。研修会に合わせてフィンランド大使館からの提供により子育て支援グッズの展示も同時に開催されました。「日本版ネウボラ」の事業が各地で実施されるようになっていることに対して、熊本ではまだまだ情報が少なかったのでよい学習の機会となったと思われます。
今年度の特筆すべき事業として、日本子ども子育てネット主催、熊本県共催、熊本子育てネット主管で「第5回子育て支援センター全国セミナー2014 in 熊本大会」があります。全国セミナー開催において求められた新規性においては、医療部門との連携という新しい方向性を出す試みとになりました。十分な議論を尽くすことができなかったところはありますが、約500名の参加者を迎えて、熊本開催2回目となる全国大会を盛会裏に終了できましたことは会員諸氏のご協力の賜物と感謝を申し上げたいと思います。
全国セミナー開催の関係もあり運営委員会の開催は19回を数えました。専任となる事務局もなく運営委員の負担は大きくなりがちではありますが、会員の皆様のお役に立つような研修や様々な事業を長年にわたり展開しております。事業や会務に対して会員の皆様の色々なご意見があるかと思いますのでお聞かせいただきたいと思います。

( 文責 村上千幸 )