平成23年度 実務担当者研修会報告
    テーマ  「食を通して見える子育て家庭」


第一回  9月20日(火) 宇土市子育て支援センター「ひまわり」    40名
第二回 10月28日(金) 山鹿鹿央子育て支援センター「ほのぼの」   32名
第三回 12月13日(火) 菊池市子育て支援センター(菊池さくら保育園)31名

平成23年度の実務担当者研修会のテーマを、「食を通して見える子育て家庭」とした。子どもの育ちに大切な”食”を通して見られる子育ての状況を気づきあった。そして、親子を取り巻く”食”の環境を考えた。子育て中のお母さん方に寄り添うなかで、子どもの成長に必要な情報や気づきの共有、ワークショップをする中で、担当保育士同士のネットワーク(つながり)の構築を図った。

第一回は、宇土ひかり保育園の子育て支援センター「ひまわり」を視察。”ちゃぶだいの会”と銘打って、地産地消の食材中心に、地域の方々の応援で、子育て中の親子さんとの料理教室の状況をうかがった。栄養士と保育士の協力のもと、地域を巻き込んでの会であった。

午後からは、各センターから、お母さんがよく利用される、レトルト食品を持ち寄り、試食会を行った。各センターの栄養士の参加もあり、30種類以上のレトルト食品を試食しワークショップを行った。自分の子育て中にはこんなにたくさんの種類はなく、離乳食を作るときに少し利用したということだった。しかし、今は、多くのメニューがあり、一つのレトルト食品の中には、多くの食材が入っていて驚いた。日ごろ、離乳食には利用しにくい食品が使われていたり、栄養価もとても高かった。長期にわたって保管ができ、衛生面もきちんとされていた。何より、防腐剤や着色料など気になる食品の利用がなかったのには、多くの保育士が驚いた。栄養士に言わせると、食品と見ると、申し分ない、との見解。では、なぜレトルト食品を良く思わない節があるのか。

このことは、人が感じて物の良し悪しが判断される部分で、”食”に関しても、人が生まれて身体で感じることから始まる大事な時期。子どもの成長に必要なことを気づいていただくには!とワークショップを行った。そこでは、忙しいお母さんにも寄り添うことの大切さ、だが、子どもの育ちで気づく会えることで、伝えることができるならばと、いろいろな意見が出た。お母さんとレトルト食品を食べてみよう!とか、一緒に学びあったら(栽培・調理実習)などの意見が出る背景には、お母さん方の悩みや生活環境の違いを理解しながら、”大切だよね””おかしいよね”の部分は、一緒に気づきあっていくことが大事という意見が多くあがった。

 

第二回目は、午前中、山鹿鹿央子育て支援センター「ほのぼの」視察。山鹿市では5箇所の子育て支援センターが、それぞれの特色を生かして活動がなされている。その中心には、山鹿市の保育士さん中心に、山鹿市の子育て支援拠点事業が根付いていると感じた。

午後からは、前回ワークショップでの意見がでた中から、レトルト食品と手作り離乳食の食べ比べを行った。午前中、担当者が山鹿市の話を聞いている間に、敬愛保育園、宇土ひかり保育園、文政保育園の栄養士が、レトルト食品名に合わせて手作り離乳食を用意してもらった。その食べ比べを行ったのだ。

何より、食材が食べれるように調理されていく様子、調理する人の姿が見ることができた(視覚)。当たり前のことではあるが、前回のレトルト食品を食べるときには温めるだけで、私たちが何か違う、何か足りない、と感じた部分である。そして、栄養士の方からも、離乳期の子どもの成長に大切なこと、口腔のしくみなど、とても参考になる話が聞けた。

 

第三回目は、菊池市子育て支援センター(菊池さくら保育園)の視察をさせていただいた。お母さん方の自己実現、サークル活動への取り組みがとても自然に行われていて、支援センター内には、手作り小物の、販売も行われていた。また、センター卒園のお母さんがヨガをされていて、参加者全員ヨガでリラックス。日ごろの疲れが吹き飛ぶくらい気持ちの良い時間がもてた。

午後は、食に関する事例検討会を行った。食事をとても大切にするお母さんがいれば、子どもの発達に必要なことに気づけなかったり、子育てをストレスと感じていて、食べることの重要性に気づかないなどといった事例が出た。3回目の研修であったので、母親の生活環境や気持ちに寄り添いながら、今までやってきた研修を支援センターでも行ってみたい、等と連続研修会の締めくくりとなった。おやつには、「momo」という雑誌の中から”ヤングママたちのお楽しみレシピ”(携帯サイトで「ママごはん」とレシピが出てきます)の中から、パンケーキのトッピングいろいろとクリスマスメニューを、栄養士さん方に用意していただき、子育てママたちの育児雑メニューを味わうことができた。

今年度は、子育て中のお母さんが、食育という面での関わりをどのようにされているのかを探りながら、大切なことを伝えていくことが、お母さん方への共感とともにあることを学んだような気がする。そして、それぞれの支援センターでは、早速、今回、私たちも気づいていった”食”に関する実習会などを、栄養士さんやお母さん方と一緒に実践されていると聞く。

(文責 宇佐美 純代)